報道発表
09年2月4日
NCA(ネットコンピューティングアライアンス)
代表 鈴木 彰
CEDC(クリーンエネルギーデータセンター)研究会の発足について
日頃は、NCAの諸活動にご支援を賜り、まことにありがとうございます。
標記の件、下記のような背景と趣旨にもとずき、このたび環境省・学識経験者・データセンターベンダー・太陽電池関連事業者・SaaSベンダーなど33社・団体等から約60名の皆様の参加により、「クリーンエネルギーデータセンター研究会」(略称:CEDC研究会)を発足することとなりましたので、お知らせ申し上げます。
記
1.背景
昨今の地球温暖化におけるCO2排出量問題は、世界同時不況の影響もあり短期的には一時落ち着いたかに見られますが、景気回復を想定する3~10年後のレンジでは依然として世界的課題であることは間違いない事と考えられます。
その中でも、大きな比率を占めさらに益々増加するものと予測されているのがITによるCO2排出であり、その削減は重要な課題となっております。
ITとCO2排出問題については、2つの事柄が同時に混在しております。一つはITの活用が他のCO2排出への抑制効果がある事、即ち、ITがもたらす人や物の移動抑制やペーパーレス促進等々がCO2排出に著しい効果をもたらすことについて確認されております。一方、反対にIT活用が広がればそれだけIT自身の電力消費も増加するので、排出するCO2も増加すると言う問題です。従ってこの二律背反課題を解決する必要があります。
ITの活用は、今後数年間で倍増することが予想されていますので、上記の後者の電力消費問題は非常に大きな課題であることは異論のないところであります。
最近の政府研究会の報告によると、データセンターへのサーバー集積は、ITの消費電力低減(CO2削減)に対して有効であり、その効果も大きな値になることが示されておりますが、世界的なASP・SaaS・クラウドの進展によるデータセンターの増加は規模の拡大を伴ってますます進展すると予測されますので、単なるサーバー集積だけによる消費電力削減では、CO2量の削減が難しくなると思われます。
そこで、データセンターが利用する電力について、クリーンなものにしていくことが重要度を増していくことが考えられます。
以上のような背景から、次のような趣旨にもとづいて、CEDC(クリーンエネルギーデータセンター)研究会を設立いたします。
2.CEDC研究会発足の趣旨
データセンターのCO2排出量を削減するには、まず消費電力そのものを削減する事があり、この件はすでに北米のグリーングリッドが指標としてのPUE(Power Usage Effectiveness)を提言し、エネルギー効率の良いデータセンターのガイドラインを定めており、既に関係業界としても取り組みがなされつつあります。
しかし、電力消費の少ない効率の良いデータセンターは、CO2の排出量削減に大きな貢献が期待できますが、さらにクリーンな電力を利用する事を考慮すればCO2削減への貢献はより高まるものと確信しております。そこで、今後急増するデータセンターが利用する電力に関しそのクリーン化について研究し、「IT活用によるCO2排出削減への貢献」を更に効果的なものとする為に産業界・官庁(中央官庁・自治体・他)・学識経験者の英知を集めその具体的な道筋を探る「クリーンエネルギーデータセンター研究会」を発足させる事といたしました。
3.概略日程計画
(1)第一フェーズ:2009年1月~2009年3月
①関連情報や個別の活動状況を把握、整理分析、情報共有化をはかる。
②具体的活動項目の設定(投資効果予測・技術予測・立地アセスメント・モデル実験など)
(2)第二フェーズ:2009年4月~2010年3月
上記②で検討した具体的活動項目の実施
(3)その後:2010年3月、協議し今後の進め方などにつき方向付けを行う。
4.参加メンバー・企業・団体(33団体)
(有識者)
東京理科大学教授 森 俊介
北海道大学教授 北 裕幸
国際大学グローバルコミュニケーションセンター教授 中島 洋
稚内北星学園大学 学長 佐々木 政憲
准教授 安藤 友晴
准教授 佐賀 孝博
NCA代表 鈴木 彰
北海道GEDC研究会 会長 津田 邦和
(企業団体名)
㈱岩崎・㈱HBA・NECネッツエスアイ㈱・河村電器産業㈱・㈱京セラソーラーコーポレーション
協和テクノロジィズ㈱・シャープ㈱・XELOP・日本電気㈱・日本ユニシス㈱・ネットワンシステムズ㈱
長谷川建設㈱・富士通㈱・富士通エフアイピー㈱・富士電機システムズ㈱・㈱プライブ・シェルター
三菱電機㈱・その他 (五十音順)
(官公庁)
環境省・北海道庁・その他(官公庁はオブザーバとしての参加です)
注)参加している企業・団体:NCA(ネットコンピューティングアライアンス)におけるクリーンエネルギーデータセンターグループのメンバー企業と、上記の学識経験者と関連官庁の参加により本研究会は構成されています。
5.事務局
CEDC研究会事務局(info@ncajapan.com)担当=廣津
〒102-0082 東京都千代田区一番町17-6 一番町MSビル NCA事務局内
TEL:03-4334-3583
【NCA(ネットコンピューティングアライアンス)について】
NCAは、学識経験者・国内企業(外資系日本法人を含めて)200名程度が参画するネットコンピューティング・クラウド基盤に関する研究グループです。NCAは、一般の業界団体のような標準化や認知度向上などを中心としたものとは異なり、より専門的で個別性の高いテーマについての、共同研究・情報共有・意見交換を主眼としています。そのため、テーマすべてを公開することはなく、参加企業や団体のメリットを重視し、参加者の知見向上、競争力強化、またそれらによる日本版グリーンニューディール政策、社会情報基盤充実への具体的かつ実質的貢献を狙いとしています。
以上